他のOS上でのWineと同様なので特筆するところは特にないので以下のリンクも合わせて参照してください。 Wineが正しく導入されていればLinux上が一番安定して動作しています。特にWindows10でのセキュリティ強化のため、DEPエラーが多発してしまい、この状態になるとレジストリなどの問題でどうにもできなくなってしまったりします。
Winehqの導入
こちらはすでにWineを導入している場合には削除してWnehqから導入をします。
sudo dpkg --add-architecture i386
wget -nc https://dl.winehq.org/wine-builds/winehq.key
sudo apt-key add winehq.key
sudo add-apt-repository 'deb https://dl.winehq.org/wine-builds/ubuntu/ focal main'
sudo apt install --install-recommends winehq-devel
ここでは、Develバージョンを入れてみます。
❯❯❯ wine --version
wine-5.20
現在のバージョンは 5.20 になっていました。 英語で利用していくぶんには特にこのままでも問題ないですが日本語環境で利用したい場合には winetrickなどでフォントを修正して使うとよいかと思います。
環境構築
Wineは環境変数で環境を分けることができるので基本的はPREFIXをつけて動かすほうが良いです。単一環境で複数のアプリを入れることのメリットは少ないので常にクリーンな状態で動かす事が望ましいです。
WINEARCH=win32 WINEPREFIX=~/.wine_pd2 wineboot
Diabloは32Bit環境で動作するため、上記ように指定をおこない動かします。上記では .wine_pd2
という閉じられた環境になります。Wineの良い点はアプリ単位でこのようにクリーンなWindows環境で動かすことができることです。(レジストリなども完全に別になるのでLinuxでWineを使うときにはアプリについてはなるべくこのように環境を分けることが望ましいです。
注意) Project Diablo2 は 64bitなのでこのwin32指定はしないでおきます
環境を設定は winecfg
コマンドで行います。
WINEARCH=win32 WINEPREFIX=~/.wine_pd2 winecfg

上記 Windowsバージョンを WindowsXP
にしておきます。ライブラリの設定でDLLのゆうん線順位を変更することが出来ます。これは独自の ddraw を利用する際などに指定します。
Diablo2の導入
導入メディア
導入イメージは 1.12 があると良いですが、ない場合にはインターネット上から探して来る必要があります。 ブリザード社のサイトでライセンスが登録されていると導入イメージをダウンロードすることが出来ます。サイトからダウンロードした場合には 1.14d
になるのでシングルでModなどを利用したい場合には注意しましょう。
ライセンスキー
ライセンスは昔々のCDROMについている場合には、ブリザード社のサイトに行って新しいライセンスキーに変換する必要があります。注意する点は複数のキーがある場合には都度ブリザード社のアカウントが必要となります(一人で複数個を買うことを想定されていないようです)
導入
メディアは、ISOファイルで用意される場合には下のような感じでファイルマネージャで見えます。CDROMから直接したい場合にはMountすれば見えますね(もうここ数年、CDROMドライブが見えるPCを使っていません)

Linux Mint の場合には特に考えることなくダブルクリックすると、マウントされます。環境変数を忘れずにInstallerを起動します。同じように LoDまで導入を行います。
WINEARCH=win32 WINEPREFIX=~/.wine_pd2 wine /media/hideaki/D2-1.12A-enUS/Installer.exe

ここから先は特に迷うことはないと思いますのでそのまま勧めます。
パッチの導入
利用したいDiabloのバージョンにより何を選ぶのかによります。この段階でBattle.netに接続して最新にするよりも一度ローカルで当てておいたほうが何かと良いかと思います。
http://plugy.free.fr/en/index.html
のサイトに各種パッチがリンクされているので利用します。ここでは 1.13d
をダウンロードしてみます。
WINEARCH=win32 WINEPREFIX=~/.wine_pd2 wine /media/hideaki/D2-1.12A-enUS/Installer.exe
実行後に、Diabloが起動してしまいます。もしかするとVideoの問題でエラーが出るかもしれません。
WINEARCH=win32 WINEPREFIX=~/.wine_pd2 wine ./LODPatch_113d.exe
補足
起動の仕方
環境変数を指定して起動します。
WINEARCH=win32 WINEPREFIX=~/.wine_pd2 wine ~/.wine_pd2/drive_c/Diablo\ II/Game.exe -w
いくつかのオプションがありますが、 -w
をつけることで Windowモードで起動できます。 X-Windowsの場合にはこちらのほうが良いかと思いますが最近の解像度が高いディスプレイで 800×600とか小さすぎるのでいくつかの選択が出来ます。自由にサイズを替えたい場合には、 glide-3dfx というドライバを利用するのが良いです。

Battle.netの無効化
普通に利用している分には、特に問題ないと思いますがModとか入れたい場合にはライセンスがBANされたりする可能性もあるので無効化しておきます。有名なModでありシングルプレーヤーはほぼ必須になっているPlugYなどはディフォルトでOffになっています。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Battle.net\Configuration
のキーを変更します。以下のゲートウェイの設定を変更します。これで誤操作しても接続が出来ないので安全です。

追加でパッケージ等の導入
この環境に追加で何かを入れたい場合には、同じ環境変数をしていして導入を行います。また導入するものが msi 形式である場合には以下のように指定します。
WINEARCH=win32 WINEPREFIX=~/.wine_pd2 wine msiexec /i ./ProjectD2Installer.msi

概ね msi 形式でもとくになにか注意することはなく普通に導入が出来ます。